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2014年5月 7日 (水)

オトミセの未来の為に

こんにちは。
オトミセに三日間出展し、
「VIVA LA ROCKに俺を出せ‼」
という13バンド13曲入りの無料コンピレーションCDを1,000枚配付した、
忘レ敵というバンドの高野です。

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いやーVIVA LA ROCK、素晴らしいフェスでしたね。
豪華な出演者もさることながら、色々なところで既存のフェスにない様々な試みが試されており、主催者の愛と意欲あふれる素晴らしいフェスだったと思います。

そんなチャレンジ精神溢れるフェスの中で、ひときわ異彩を放っていたのが「オトミセ」という企画でした。

これは音楽同人マーケット(つまり、コミケやデザフェスの音楽版みたいなイメージ)をロックフェス会場に作ろうというチャレンジで、かなり面白い試みだったと思います。

しかし、オトミセという企画自体は、様々な問題がありました。
来場者としては「残念」という声も多く聞かれ、出展者としても「楽しかった」と「冗談じゃねーよ」の賛否両論に別れることになったと思います。

僕自身は3日間出展し(実際にブース対応したのは前2日)、ブース出展での目的を達成しつつ様々な繋がりを作る事が出来、とても楽しい経験をさせて頂いたのですが、「こうすればもっと改善できるのではないか?」という多くの気付きを現場で得ることが出来たので、それをBlogにまとめ、公開することにしました。

このエントリーを、オトミセ出展者として感じたオトミセ主催者への課題フィードバックとすると共に、来年出展を考える方々へのヒントとして活用してもらえれば幸いです。

全てはオトミセの未来の為に、そして日本の音楽文化がもっと豊かになる為に。

…というのはカッコつけすぎですが、まぁ来年も出たいのですよ。
もっと良いカタチでね。

ほんでは、自分でもびっくりする位の長文になっていますが、行ってみましょう!
最後までお付き合いください。
↓↓

オトミセの企画・運営上の課題

オトミセの問題点は数多くありましたが、まとめると
「閑散としていた」
というところに問題点が集約されると思っています。

事実、100組の募集をかけていたオトミセでしたが、実際に出展していたのは毎日わずか十数組。
メイン動線から外れ、人通りも少ない400 LVはガランとしており、「コミケ的・文化祭的な盛り上がり感」はいまひとつでした。
特に午前中の寒さと言ったら、隣の出展者と「ピエリ守山かよ!」と笑いあったものです。※ヤバすぎて笑うしかなったのです…

ではなぜ「閑散としていた」のでしょうか?
これは以下3つの問題点に切り分けられると思います

(1)出展者が集まらなかった
(2)来場者の動線が十分に考慮されていなかった
(3)出展者の準備・現場での対応が十分でなかった

(3)については出展ブースによって色々な作戦がありますし、初回開催ということで手探りの出展となったので準備不足となることはある程度仕方なかったでしょうから、ここでは割愛します。

本稿では特に企画運営上の課題である(1)と(2)について順にレポートしていきます。

(1)出展者が集まらなかった

出展者が集まらなかった理由はいくつかあります
a.出展コストの問題
b.コスト回収の困難さ
c. 設備面の問題

(1)-a出展コストの問題
出展者が壊滅的に少なかった最大の理由は、やはり「出展コスト」だと思います。

オトミセの出店費は、1日1,000円ですが、出展者は全員1日約1万円(※一日券の場合)かかる通常のチケットを購入する必要がありました。

ブースを無人にしない為には、1ブース2名は必要です(贅沢を言えば3名体制で2名常駐し1名休憩というシフトを回したいところです)が、1ブースにつき2名と考えると、出展コストのみ考えても約二万円/1日かかる計算でした。

この金額は、他の同種の展示会(M3、デザインフェスタなど)と比べると倍以上の金額です。

他の多くの展示会では、オトミセと同等のブース出店費はだいたい1ブースにつき1万円/1日くらいですが、そこに「出展者パス」が複数枚ついて来ます。

ですから、例えば2人でブース対応すればコストは1人5,000円、3人で対応すれば1日約3,300円と、コスト負担を減らす事ができます。

これに対してオトミセでは、対応人数が増えるごとにコストは1万円づつ増える計算になるので、負担は増すばかり。これは正直キツかったです。

つまり、オトミセ出展者は「店番の為にライブを十分に見られないに関わらず、通常のお客様と同じく高いチケット代を払わされる」、かつ「ブース対応の体制を手厚くとしようとすればするほど高コストになる」という状態した。これは厳しい!

ではどうすれば良かったか?

改善策①:出展者パスを用意する

素直に考えれば、他の展示会同様、出展者一人あたりのコスト分散が可能となる「出展者パス」を用意すれば良さそうですが、オトミセの場合、そう簡単にはいきません。

と、いうのも、オトミセが開催されていた400 LVは、メインステージのライブが見られるリラックスエリアがあるゾーンにあり、当然「リストバンドを持っていないと入れないゾーン」となります。逆に言えば、「リストバンドがあれば何処へでも行けるゾーン」であり、運営側からも「なるべくブースを空けて欲しくないけど、自由にライブを見てもらっても良い」という条件を提示されていました。

そんな環境で、もし「オトミセ出展者パス」なる安価なチケット体系を作ったとしたら、「ライブを見ることが目的の人たちが数人でオトミセに偽装出展し、ほとんどブース番をせずに安い値段でライブを見まくる」という不正がまかり通ることとなります。

これを防止するには、「オトミセ出展者はライブを自由に見られないように行動エリアを制限する」必要があります。それをするには、「ライブが見られる場所への入り口という入り口でリストバンドをチェックし、オトミセ出展者パスでは入れないようにする」という運用が必要になりますが、これをするには主催者側の運用コスト上のハードルがかなり上がるので、留意が必要です。

改善策②:VIVA LA GARDENなどのフリーエリアをオトミセ会場とする

「出展者パス」を用意する以外で、これを解決するには、「そもそもリストバンドが必要無いところでオトミセやれば良いじゃん!」というアイデアです。

これはTwitterなどでも複数の方が指摘しており、後ほど記載する「動線」の問題も改善するのでかなり良さそうな案ですが、ネックは野外でやるために「天候に左右される」事でしょう。風の影響もありますし、展示環境としては比較的厳しいものとなります。やるならばテントの貸し出しが必須になるでしょう。

また、コストはともかくとして、そもそもフリーエリアでオトミセをやれるスペースがどれほど確保できるか??という疑問も沸きます。VIVA LA GARDENはゆったりとした非常に素晴らしいスペースだったのですが、あそこにこれ以上出店用のテントをぶち込むにはちょっとスペースが不足しているような気もします。

これらの天候の問題と、スペースの問題がクリアされれば、「フリーエリアでやる」という改善策は劇的な効果があると思うので、次回はぜひ検討して貰いたいと思います。

〔まとめ〕
出展コストを下げるには
①出展者パスを用意して、オトミセ出展者の行動エリアを制限する
②フリーエリアでオトミセを開催する
ただし、どちらも簡単ではない

ちなみに・・・我々のブースでは、13組のバンドを集めコスト負担を分散させ、代表2名×3日間を送り込むという作戦をとることで1組あたりの出展コストを下げていました。

(1)-b コスト回収の困難さ(「ついで買い」での単価について)

前述した「a出展コストの問題」と表裏一体なのですが・・・高い出展コストを回収できる見込みが立たなかったことも出展数が伸びなかった原因でしょう。

そもそも、M3やデザインフェスタ、コミケなどは、「ブースに来ること・買うこと」が来場者の目的になっています。一方でオトミセはあくまで「VIVA LA ROCK」というロックフェスのほんの一部であり、来場者の目的はライブを見ること。オトミセはあくまで「ついで」です。

あくまで「ついで」ですので、高額の商品を買っていただくのは難しく、それは単価を引き下げる要因になります。結果として、無料であったり、数百円の安価なものが展示商品のメインとなるでしょう。
※もちろん、ある程度の単価(1,000円以上)のものも、「その価値アリ」と見られる素晴らしい展示品は売れていました。僕らのブースでも、無料CDを配布しつくしたあとはブースで試聴してもらい、結果1,500円の有料盤のCDを買ってくれた方が何名もいらっしゃいましたから、此処で述べたことはあくまで「全体の傾向として」という意味です。

これは構造的な問題なので、企画・運営側としては抜本的な改善策は無いでしょう。
後述する「動線」についての改善により、なるべく多くの来場者を送り込むことで緩和するしかないと思います。

出展者としては、オトミセに来る来場者が「ついでに寄っただけ」であること事を深く認識し、「ついでだとしても買いたくなるほどの素晴らしい品質のものをある程度の単価で売る」か、「ついで買いを可能とする単価の安い物を大量に売る」か、「オトミセの場単体でのコスト回収を諦めてプロモーションの場として活用する」のどれか(又はこれらの複合パターン)にコンセプトを定めて工夫するしかないでしょう。

結局のところ、今回はごく少数の「ついでだとしても買いたくなるほどの素晴らしい品質のものをある程度の単価で売る」ブースを除けば、「コストはある程度度外視」で、「その場にいること・繋がりを作ること」に価値を感じた人だけが出展したのだと思います(僕もそのタイプに近いです)。それはそれで良いと思いますが、出展者を劇的に増やすには厳しいかもな・・・と。

いずれにせよ、何をするにしても「1-(1)-a出展コストの問題」と密接に関係してきます(当然ですが)ので、そっちが改善されれば随分と採れる対策は増えるでしょう

〔まとめ〕
出展コストを回収するには
①出展者は来場者の「ついで買い」という性質を認識した上で工夫するべし
②主催者は動線を工夫することでサポートすべし(動線については後述します)

ちなみに・・・我々のブースでは「プロモーションの場として活用する」事に特化し、コンピCDを1,000枚プレスして無料配布することで新たなファンとの出会いを産み出すというコンセプトにしておりました。

(1)-c 設備面

出展設備としては、何よりも今回は電源が供給されないのが弱点でした。音を出すには電池駆動のラジカセや小型のスピーカーなどで対応するしかありませんでしたし、それ以外で電源を使うものについては各自バッテリーなどを用意する必要がありました。

まぁ電源については、今回のように「出展者各自で用意する」という事でもなんとかなるので致命的な問題ではないですが、やはり電源はブースあたり1口~2口用意するようにするとベターでしょう。ここはオプション費用がかかっても良いと思います。

〔まとめ〕
設備面の改善では、
①電源があるとベター。
②電源にオプション料金がかかっても良い。

ちなみに・・・我々のブースではBGM用&試聴用にポータブルスピーカー&iPodを持ち込み、念のため充電用のモバイルバッテリーを用意しましたが、400LVはメインステージでのライブ中は音が漏れるために、BGMは転換時のみかけていたに留まりました。ですから電源は無くても何とかなる感じでした。

(2)来場者の動線が十分に考慮されていなかった

次に、「動線」の問題を考えます。
出展者が沢山集まらなかったのに加え、来場者も非常に少ないことが「閑散とした」印象を決定付けました。

「動線」についての問題は以下の2つがあるように思えます。

a-オトミセの開催場所400LV特有の問題
b-出展者情報を着信させる場が無い

以下にそれぞれについて解説します。

(2)-a オトミセの開催場所400LV特有の問題

今回オトミセが開催された400LVという場所は、多くの来場者のメイン動線上に無い奥まった場所にあり、人の流れが非常に少ない場所だった事は事実でしょう。

メインステージ上部のリラックスエリアに行くか、500LVのアーティストコラボ飯を販売しているスカイラウンジの途中で寄り道する(※寄り道せずとも500LVには行ける)しかオトミセエリア接する機会はなく、「特別な理由」が無ければ多くの人が足を踏み入れる場所ではありませんでした。

ではどうすれば良かったか。

改善策①:VIVA LA GARDENなどのフリーエリアをオトミセ会場とする

「(1)-a出展コストの問題」でも記載しましたが、まず思いつくのは、400LVを諦めて、フリーエリアなどの人通りがある場所での展示に変更することです。
天候やスペースの問題はあるので実現ハードルは高いですが、これが出来れば劇的な改善が図れるでしょう。

改善策②:400LVを回遊する「特別な理由」を用意する。(スタンプラリーや公式グッズ売り場など)

400LVでの開催をする場合でも、回遊する「特別な理由」を意図的に作り出すことが可能です。
例えばスランプラリーを開催するのはどうでしょうか。①VIVA LA GARDEN、②スカイラウンジ、③CAVE STAGE、④VIVA! STAGE、⑤オトミセの奥 をスタンプラリーポイントとして、全ての場所でスタンプを貰ったらオフィシャルグッズが貰える・・・など。
それ以外にも、混みがちな「公式グッズ・アーティストグッズ売り場」をオトミセ会場の奥に設置し、来場者を誘導するなど。これらはそれなりに実現性の高そうな施策だと思います。

〔まとめ〕
400LV特有の動線問題を解決するには・・・
①そもそも400LVでの開催を辞めて、フリーエリアでの開催にする
②400LVでやる場合には、スタンプラリーの開催や公式グッズ売り場の設置等をする

(2)-b 出展者情報を発信する場が無い

これも多くの方がTwitter上で指摘していましたが、今回オトミセの出展者情報は公式サイトなどにはどこにも掲載されておりませんでした。
来場者は「オトミセにどんな店が出店されているか」をほぼ知りえない状態であり、「オトミセにわざわざ足を運ぶ」動機になおさら欠ける状態でした。
唯一、鹿野さんが毎日朝のライブ開始前にMCでオトミセの紹介をして手当てをしてくれていましたが、やはりそれだけではキツイでしょう。

ではどうすれば良かったか。

改善策①:オトミセ出展者の特設サイト(or案内パンフ)を作ってアピールする

まず最初に考えるのはこれです。
まぁ今回は特に出展者が集まらず募集延長を繰り返したため、印刷物の作成は進行上もコスト上も難しかったとは思いますが、特設サイトを設置するくらいは出来るのではないかと。

今回は出展者の1人である「鳥クルッテル.inc」さんが自主的にNAVERまとめ上に出展者情報をまとめて頂きました(Twitterでオトミセ出展に言及している人を捕まえて掲載)が、本来であれば運営側がやるべき事だと思います。

改善策②:オトミセ出展者のアピールタイムを設ける

次に考え付くのはこれです。
希望者だけでも良いので、各ステージの転換中にオトミセ出展者がマイクで出展内容についてアピールする、というのも実現性の高い施策ではないでしょうか。メインステージは無理でも、VIVA LA GARDENやスカイラウンジにある小ステージでアピール出来るだけでも大分違うと思います。欲を言えば、ミュージシャンの出展の場合は小ステージで1曲でもやれると嬉しいのですが、まぁそれは難しいかな・・・。
ここらへんは出展者数が増えすぎるとまた時間割が難しくなのですが、検討の余地はあるかと。

いずれにせよ、とにかく「オトミセで何をやっているか」を来場者に着信することが肝心と思いました。

〔まとめ〕
出展者情報を発信するには
①オトミセ出展者の特設サイト(or案内パンフ)を公式に作るべし
②出展者が来場者にアピールできる場を作るべし

ちなみに・・・我々のブースでは無料ホームページサービスであるjimdo上に特設サイトを作り、開催1ヶ月目から13バンドの力で情報を拡散しました。その為、参加13バンドのどれかに興味があるフェス来場者の方にはそれなりに無料コンピの情報を着信することが出来、結果的に「オトミセにわざわざ足を運ぶ」という状態を作り出すことがある程度は出来ました。


以上が、「オトミセが閑散としていた」事への、私なりに考えた対策です。
主催者側にとっては既に検討済みで今回諦めた内容や、次回に向けての検討課題として認識されているものも多く含まれているとは思いますが、出展者側の意見をまとめる意味で記載させて頂きました。


ところで、「閑散としている」事とは直接関係ないのですが、オトミセで色々な問題が生じた(&会期中の改善が十分になされなかった)隠れた原因として「オトミセ責任者の不在」が実は大きな要因だったと思っています。

申し込み~出展準備期間の連絡窓口も、責任者が不明で、出展者の質問に対するタイムリーな回答を頂けませんでしたし、会期中も「閑散とした状態」に対する改善の手が打たれているとは思えませんでした。

何より、出展者とのコミュニケーションの窓口が無かったものですから、こちらからの要望や気付いた点を吸い上げる機能も無かったと思います。

現場に権限のある責任者の方がいれば、例えば・・・出展ブースが歯抜け状態で寂しい状態だった初日は、奥のテーブルを急遽撤収して、エレベーター付近に出展者を集め、歯抜けのブースを無くす・・・などの、現場での臨機応変な改善が出来たのではないかと、今になって思います。

この文章をしたためたのも、どうにかして出展者の意見を主催者側に届けたかったからであり、意見を届ける窓口の方が不明だったためです。

次回のオトミセ企画の際には、ぜひ専任のオトミセ責任者(オトミセ全体の運営ディレクター)の設置をご検討ください。


最後に・・・
様々な問題点もあったオトミセですが、冒頭に述べたとおり、個人的には「オトミセは素晴らしいチャレンジであった」と思っています。ほんとに。お世辞でも上から目線でもなくて。

そして僕らの「VIVA LA ROCKに俺を出せ!!」というブース単体で見れば、当初の目的を100%達成でき、成果には大変満足しているので、この場を作って下さった主催者の方々には感謝の気持ちで一杯ですし、来年もまた必ず出展したいと思います。もし来年「VIVA LA ROCKに俺を出し」てくれたとしてもオトミセにまた出店します。

このような意欲的なチャレンジの初回に、問題点が出るのは当たり前なので、肝心なのは、「次回どう改善するか」だと思います。ですから、僭越ながらこうしてBlogを書かせて頂きました。

ぜひ今回のオトミセの振返り&次回の企画へのインプットとしてご活用いただきたく、
よろしくお願いします。

『VIVA LA ROCKに俺を出せ!!2014』 
発起人 忘レ敵 高野(@nagirann)


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忘レ敵の新作MV公開しました。
大阪遠征を軸にしたツアードキュメンタリー風ムービーです。
ぜひ見てくださいね!

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忘レ敵次回ライブはこちら。
ホフディランの「ワタナベイビー」さん
オトミセコンピの最後に収録されている「さっちんたい」
と一緒に、子連れ歓迎のアコースティックライブを休日昼間に企画しました。
夜のライブハウスでのライブになかなか来られない方、ぜひいらしてください。

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